POINT

まずは、クイックリファレンス!

  • 表示するセルへSUMIFS( 合計する範囲, 集計開始で参照する時間データ範囲, 集計開始条件, 集計終了条件で参照する時間データ範囲, 集計終了条件 )の順に数式設定
  • 【例 =SUMIFS(量産試作データ!H$2:H$315,量産試作データ!$E$2:$E$315,">="&統合データ!$B2,量産試作データ!$E$2:$E$315, "<"&統合データ!$B3) 】

  • SUMIFS関数の注意点
  • 直接入力する条件式は""で囲い、比較対象は右側に置く。10以上は ">=10" と設定

    間違って"=>"と、等記号を左に置くと、エラーにならず集計結果が0となる。

    セル参照は "" の外に置き""との間に&を入れる。B1セル以上は ">="&B1 と設定

以上でSUMIFS関数で時間別、日別にデータ集計する数式入力が完了

検索列の挿入

検索列の設定

"統合データ"シートのG~I列を検索結果を表示する検索列とします。見出し行の1行目へ"量産試作データ"シートから取り込む項目名 チップ数、良品数、不良品数 を入力します。

SUMIFS関数で時間別、日別に集計

それでは、SUMIFS関数で"統合データ"シート側から"量産試作データ"シートを検索・集計していきます。SUMIFS関数は ( 合計対象範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], … ) の順で設定します。2つ目以降の条件は省略可能で、最大 127 の条件が設定できます。

1: 合計対象範囲 の設定

SUMIFS設定1

"統合データ"シートのG2セルを選択し、 =SUMIFS() と入力します。

SUMIFS設定2

カーソルが =SUMIFS() のカッコの中にある状態で、"量産試作データ"シートのH2セルを選択し、続けて [Shift]キー と [Ctrl]キーを押しながら [↓]キー を押してH列のH2セルから最終セルまでを選択します。そして、項目区切りの " , " を入力して 合計対象範囲 を確定させます。

2: 条件範囲1 の設定

条件1 【集計開始時刻】の区分けに使う時間を指定します。今回はE列の 熱処理完了時刻 を指定します。

SUMIFS設定3

"量産試作データ"シートのE2セルを選択し、先ほどと同様にショートカットキーでE2セルから最終セルまでを選択し、項目区切りの " , " を入力して確定させます。

3: 条件1 【集計開始時刻】の設定

条件1 には集計開始時刻の条件(その時刻と同等か大きい時刻がE列で見つかったら集計対象とする)を設定します。

SUMIFS設定5

まず、 ">="& と入力し、続いて"統合データ"シートに戻り、B2セルを選択し、項目区切りの " , " を入力して確定させます。

SUMIFS関数の直接入力する条件式の部分は""で囲います。また、比較対象は右側に置きます。セル参照は文字列と認識されない様に""の外に置き、&を入れて繋ぎます。間違って"=>"と等記号を左に置くと集計が失敗しますので、ご注意を!後ほど説明します。

4: 条件範囲2 の設定

次に、 条件2 【集計終了時刻】の区分けに使う時間を指定します。こちらもE列の 熱処理完了時刻 を指定します。

SUMIFS設定6

先ほど入力した 条件範囲1 の 量産試作データ!E2:E315 をコピーして貼り付け、項目区切りの " , " を入力して確定させます。

5: 条件2 【集計終了時間軸】の設定

条件2 には集計終了時刻の条件(その時刻より小さい時刻のE列の時刻を集計対象とする)を設定します。

SUMIFS設定7

まず、 "<"& と入力し、続いて"統合データ"シートのB3セルを選択します。

6: 絶対値指定へ変更

最後に、このままオートフィルで残りのセルを自動入力すると、検索範囲がずれて値が取得できませんので、一部を絶対値指定へ変更します。

SUMIFS設定8

入力されている 合計対象範囲 H2 H315 をマウスで順にクリックし、それぞれ [F4]キー を2回ずつ押して2~315行方向のみ絶対指定に変更します。

次に、条件範囲1 E2 E315 と、条件範囲2 E2 E315 をマウスで順にクリックし、それぞれ [F4]キー を1回ずつ押して絶対指定に変更します。

最後に、 条件1 の B2 と 条件2 の B3 を順にマウスでクリックして選択状態にし、 それぞれ[F4]キー を3回押してB列方向のみ絶対指定にします。[Enter]キー を押して、数式を確定させます。

完成した数式は =SUMIFS(量産試作データ!H$2:H$315,量産試作データ!$E$2:$E$315,">="&統合データ!$B2,量産試作データ!$E$2:$E$315, "<"&統合データ!$B3) となります。

7: オートフィル入力、結果の確認

オートフィルでG~I列へ自動入力します。

SUMIFS設定9

G2セル右下のフィルボタンをI列までドラックし、次にフィルボタンをダブルクリック、これでG~I列へ自動入力されました。

SUMIFSの処理結果1

自動入力の結果を確認すると、ロットが流動した時間帯にはチップ数、良品数、不良品数がそれぞれ表示されており、狙い通り時間別で集計出来ていることが分かります。

SUMIFSの処理結果2

これで、業者から届いたデータと現場の熱処理時間記録から抽出したロット流動結果が、"統合データ"シート上に1つのデータセットとして整いました。

おまけ:SUMIFS関数で不等記号の順番を間違えた時の症状

便利なSUMIFS関数ですが、"=>"と、間違えて等記号を左にすると困ったことになります。

1: 間違えて "=>" で検索させると、0になる

試しに間違えて "=>" と入力してみます。

不等記号の入力ミス

赤線部分の様に間違えた数式をG2セルへ入力し、オートフィルで他のセルへ自動入力します。

sumifsの検索失敗

すると、正しい数式では集計出来ていたセルの値が 0 となっています。

恐らく、EXCELでは有り得ない条件で検索しているので、何も見つからず 0 という結果になっているようです。エラーも何も出してくれないので、知らないと困りますね。

2: IF関数は親切

IF関数の不等記号入力ミス

なお、IF関数では同じ入力ミスをして ENTERキー を押すと

エラー通知と修正提案

エラーメッセージが出て、数式を確定できません。また、修正も提案してくれます。こちらの方が親切ですね。

いつかはSUMIFS関数も同様の機能が付くのかもしれませんが、値が全て0になった時は不等式の記号の並びをチェックしましょう。